役員貸付金について

最近めっきり寒くなって体調管理が難しいですね(T_T)

最近ご質問があった点について参考までに…

役員貸付には利息を計上しなければならないのです。

役員貸付金にまつわる税務問題の第一は、利息計上が必要だということです。

役員からの借入金には利息計上が通常要求されないのに対して、会社から役員への貸付には利息計上が必須とされています。
これは、税法が想定する「人」の位置づけが異なることに起因しています。
すなわち、株式会社は営利を目的とした「人」なので当然に利益にならない行為はするはずがない。これに対して、個人は営利追及を第一義的な目的として存在しているわけではないので、経済的に合理的な行動をしないことも十分ありえる、と考えられているからです。
そのため、会社が役員を含む第三者に貸付を行うときは、必ず利子を付して処理しなければならないこととされているのです。

金利はどれぐらい必要なのか

利息をつけなければならないとして、いったい何%に設定すればよいのか!?
できるだけ低い金利にしたいというのが本音だと思います。
所得税の基本通達に以下のものがあり、法人税法の処理でもこの通達に準拠した処理をしていれば問題になりません。

所得税基本通達 36-49(利息相当額の評価)

使用者が役員又は使用人に貸し付けた金銭の利息相当額については、当該金銭が使用者において他から借り入れて貸し付けたものであることが明らかな場合には、その借入金の利率によりその他の場合には、貸付けを行った日の属する年の前年の11月30日を経過する時における(日本銀行法第15条第1項第1号の規定により定められる商業手形の基準割引率
(いわゆる「公定歩合」))に年4%の利率を加算した利率(その利率に0.1%未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)により(いわゆる「認定利息」) 評価する。

基準割引率は、日本銀行HPで入手できます。


要するに、
利息を定めなければ、必ず4%以上の認定利息の計上を要求される 貸付と紐付けの借入金があるのであれば、
その借入金利を適用することが可能(「明らかな紐付け」は迂回融資になってしまいます) 
もっとも低い調達金利を適用するなら、紐付けであることを論証する必要がある 
明らかな紐付けでない場合でも調達金利以上であれば通常問題にならない 
明らかな紐付けでなければ、平均調達金利を適用することも考えられる 
利息を定めない場合を除き、会社と役員とで取り決めた金利は金銭消費貸借契約書
に明記しておくべきです。
契約書に金利が明記されていないのに、決算残高に調達金利を乗じて受取利息を計上したりすると否認され認定利息への修正を求められることもあり得ますので注意が必要です。利息を定めない場合は当然認定利息の適用となります。

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